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INTRODUCTION
  • 『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督と映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組んだ不朽の感動作『海の上のピアニスト』。1999年に日本で公開され多くの映画ファンを魅了した本作が、約20年の時を経て、4Kデジタル修復版、そしてイタリア完全版として再び劇場公開される。

    本作はトルナトーレ監督にとって初の英語作品であり、現代のイタリアを代表する名匠として、その名を世界に知らしめた作品。一つの時代の終わりと新しい時代の始まりの狭間で揺れる、一人の天才ピアニストを描いた現代の寓話とも言うべき映画史上に残る傑作である。
  • 伝説のピアニストを演じるのは、『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』(95)でアカデミー賞®助演男優賞にノミネート、クエンティン・タランティーノ監督作品の常連としても知られる演技派俳優ティム・ロス。繊細かつ叙情的なピアノ演奏シーンでは、過酷な特訓の末に見事に自身で演じきっているのも本作の大きな見どころ。

    音楽を担当するのは、言わずと知れた映画音楽界の生きるレジェンド、エンニオ・モリコーネ。メインテーマから劇中でナインティーン・ハンドレッドが演奏するジャズナンバーまでほとんどの楽曲をオリジナルで作曲している。
  • 今回、「4Kデジタル修復版」ではトルナトーレ監督本人の監修のもと、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』なども手がけてきたカラースーパーバイザーのパスクアーレ・クズポリと共に、イタリアはルーチェ・チネチッタ・ラボにおいて完全修復作業が行われた。オリジナル35mmネガを4Kスキャンし、煌びやかな豪華客船の内部や、青く透き通るような海など、これまで表現しきれなかった細部まで色彩豊かに蘇っている。

    一方、「イタリア完全版」(HDリマスター)では、インターナショナル版としてカットされた40分以上のシーンが復活。短く編集されていたナインティーン・ハンドレッドのピアノ演奏シーンや、ユーモアにあふれた会話のやり取りも本来の姿に戻り、タイトルやクレジットロールもイタリア語で演出されるなど、本作のファンが長く待ち望んでいた内容が盛り込まれている。
『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督と映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組んだ不朽の感動作『海の上のピアニスト』。1999年に日本で公開され多くの映画ファンを魅了した本作が、約20年の時を経て、4Kデジタル修復版、そしてイタリア完全版として再び劇場公開される。

本作はトルナトーレ監督にとって初の英語作品であり、現代のイタリアを代表する名匠として、その名を世界に知らしめた作品。一つの時代の終わりと新しい時代の始まりの狭間で揺れる、一人の天才ピアニストを描いた現代の寓話とも言うべき映画史上に残る傑作である。
伝説のピアニストを演じるのは、『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』(95)でアカデミー賞®助演男優賞にノミネート、クエンティン・タランティーノ監督作品の常連としても知られる演技派俳優ティム・ロス。繊細かつ叙情的なピアノ演奏シーンでは、過酷な特訓の末に見事に自身で演じきっているのも本作の大きな見どころ。

音楽を担当するのは、言わずと知れた映画音楽界の生きるレジェンド、エンニオ・モリコーネ。メインテーマから劇中でナインティーン・ハンドレッドが演奏するジャズナンバーまでほとんどの楽曲をオリジナルで作曲している。
今回、「4Kデジタル修復版」ではトルナトーレ監督本人の監修のもと、映画『ライフ・イズ・ビューティフル』なども手がけてきたカラースーパーバイザーのパスクアーレ・クズポリと共に、イタリアはルーチェ・チネチッタ・ラボにおいて完全修復作業が行われた。オリジナル35mmネガを4Kスキャンし、煌びやかな豪華客船の内部や、青く透き通るような海など、これまで表現しきれなかった細部まで色彩豊かに蘇っている。

一方、「イタリア完全版」(HDリマスター)では、インターナショナル版としてカットされた40分以上のシーンが復活。短く編集されていたナインティーン・ハンドレッドのピアノ演奏シーンや、ユーモアにあふれた会話のやり取りも本来の姿に戻り、タイトルやクレジットロールもイタリア語で演出されるなど、本作のファンが長く待ち望んでいた内容が盛り込まれている。
STORY
大西洋を巡る豪華客船の中で、生後間もない赤ん坊が見つかった。彼の名は1900=ナインティーン・ハンドレッド。世紀の変わり目を告げる1900年に因んで名付けられた。彼は船内のダンスホールでピアノを演奏し、類稀な即興曲を次々と作り出していった。そんなある日、彼は船内で出会った美しい少女に心を奪われてしまう。彼女が船を去った後、断ち切れない彼女への想いから人生で初めて船を下りることを決心する…。
STAFF
1956年イタリア、シチリアのパレルモ近くの村バゲリアに生まれる。13歳で既にカメラを片手にシチリアの情景を撮り始めていた。それから80年代前半まで短編映画やTVドキュメンタリーを手掛け着々と監督としてのキャリアを積んでいく。84年にはシチリアからローマに移り住み、86年に『“教授”と呼ばれた男』で初の長編劇映画を監督、イタリア・ゴールデングローブ賞新人監督賞を受賞する。そして89年には、日本でも名作として語り継がれている『ニュー・シネマ・パラダイス』を発表し、その名を馳せる。同作はカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、アカデミー賞®外国語映画賞(現在の国際長編映画賞)、英国アカデミー賞11部門ノミネート5部門受賞、ヨーロッパ映画賞特別賞と主演男優賞、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞を受賞と数々の映画賞を獲得し、世界的大ヒットとなった。以降、イタリアを代表する映画監督として多くの作品を手掛けている。近年に手掛けた作品では、『鑑定士と顔のない依頼人』(13)がダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞・監督賞を含む6部門を受賞。またアカデミー賞®俳優ジェレミー・アイアンズが主演を務める『ある天文学者の恋文』(16)などがある。その他主な作品には、カンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートされた『みんな元気』(90)、同じくパルム・ドールにノミネートされた『記憶の扉』(94)、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネートの『マレーナ』(00)、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で12部門ノミネートの『題名のない子守唄』(06)、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネートの『シチリア!シチリア!』(09)など。
1928年、イタリアのローマ生まれ。50年以上にわたるキャリアの中で400本以上の映画音楽を手掛けた映画音楽界の巨匠。聖チェチーリア音楽院で作曲を学び、編曲家としてアーティストのキャリアをスタートする。1964年に担当したセルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』が大ヒットし、映画音楽家として本格的に活躍していく。その後、ハリウッドに進出し、テレンス・マリック監督の『天国の日々』(78)、ローランド・ジョフィ監督の『ミッション』(86)、ブライアン・デ・パルマ監督の『アンタッチャブル』(87)でアカデミー賞®にノミネート。その他『バグジー』(91)、『マレーナ』(00)でもアカデミー賞®にノミネートされ、2007年にはアカデミー賞®名誉賞を受賞。『鑑定士と顔のない依頼人』(13)では、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞作曲賞やヨーロッパ映画賞作曲賞を受賞。さらにクエンティン・タランティーノ監督作品『ヘイトフル・エイト』(15)で見事初のアカデミー賞®作曲賞に輝いた。なお『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)以降、全ての作品で組んできた盟友トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『Ennio: The Maestro』(原題)が2020年にイタリアで公開予定。
CAST
1961年、ロンドン生まれ。ロンドン芸術大学キャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツで彫刻を専攻しており、当初はアーティスト志望だった。在学中に小劇団に入ったことで、俳優への道を進むことになる。舞台でキャリアをスタートさせ、スティーヴン・バーコフが演出したカフカ原作「変身」の舞台版で話題となる。スティーヴン・フリアーズ監督作『殺し屋たちの挽歌』(84)ではイヴニング・スタンダード最優秀新人賞を獲得し注目を浴びる。その後は『コックと泥棒、その妻と愛人』(89)、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(90)などで知名度を上げ、ロバート・アルトマン監督作品『ゴッホ』(90)では天才画家フィンセント・ファン・ゴッホを演じ、さらにクエンティン・タランティーノ監督作品『レザボア・ドッグス』(91)、『パルプ・フィクション』(94)で世界的な名声を確立した。歴史ドラマ『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』(95)では米アカデミー賞®とゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にノミネートされ、英国アカデミー賞で助演男優賞を受賞。その他の主な出演作は『リトル・オデッサ』(94)、『ライアー』(97)、『宮廷料理人ヴァテール』(00)、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(01)、『神に選ばれし無敵の男』(01)、『アメリカ、家族のいる風景』(05)、『コッポラの胡蝶の夢』(07)、『インクレディブル・ハルク』(08)、『グローリー/明日への行進』(14)、『ヘイトフル・エイト』(15)、『或る終焉』(15)、『ルース・エドガー』(19)がある。また『素肌の涙』(98)では自身が監督も務めている。
1960年、ルイジアナ州バトン・ルージュ生まれ。87年にロバート・デニーロ共演作『エンゼル・ハート』に出演。以降はアラン・パーカー監督作『ミシシッピー・バーニング』(88)、『レッド・ブル』(88)、デヴィッド・リンチ監督作『ワイルド・アット・ハート』(90)、オリヴァー・ストーン監督作『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)、ヴィム・ヴェンダース監督作『エンド・オブ・バイオレンス』(97)、ジェームズ・マンゴールド監督作『アイデンティティー』(03)、フランシス・ローレンス監督作『コンスタンティン』(05)など、世界の名だたる監督たちの映画に出演しており、ある時は準主役、ある時は名脇役として様々な役柄を見事に演じ切っている。また、テレビでも活躍しており、「X−ファイル(シーズン4)」「メンタリスト(シーズン3〜6)」「ウォーキング・デッド(シーズン2)」「ブラックリスト(シーズン5)」など、多くの人気TVドラマにゲスト出演している。なお、97年にはTVドラマ「Murder One」でエミー賞のドラマ・シリーズ部門ゲスト男優賞を獲得している。
1981年、フランス生まれ。幼少期からフランスでモデルとして活動を始め、エルメスなどの有名ブランドの広告塔として活躍しており、本作『海の上のピアニスト』に出演したことをきっかけに女優としても一躍注目を浴びた。ジュリアン・ルクレルク監督の『インストーラー』(07)への出演を経て、マチュー・カソヴィッツ監督のSFアクション『バビロンA.D.』(08)でハリウッド映画に進出する。その後も『ザ・ダンサー』(16)に出演、『あなたはまだ帰ってこない』(17)ではセザール賞の主演女優賞にノミネート、『天国でまた会おう』(17)、『風とともに』(18)、2020年にはスパイク・リー監督の映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』に出演している。