INTRODUCTION
“侵す者”と“侵される者”──その絡み合う関係の深層を暴き出していく衝撃作『侵蝕』。第 29 回釜山国際映画祭「コリアンシネマトゥデイパノラマ」部門に公式招待されたのを皮切りに、世界各国の名だたる映画祭へと次々に招かれ、観る者の心を深く震わせた本作は、韓国実写映画として初登場 1 位という快挙を成し遂げ、大きな話題を呼んだ。出演はクォン・ユリ(少女時代)、クァク・ソニョン、イ・ソル、キ・ソユ。これまでの親しみあるイメージを捨て去り、自らの選択で揺れるキャラクターを、鋭く、そして繊細に演じきる。 “普通”ではない“誰か”が日常に入り込んだ瞬間、その日常は確実に崩れ去る。あまりにも強烈でリアルな物語は、息が詰まるような緊張感と不穏なざわめきを呼び起こし、観る者すべての胸の奥に狂気がじわじわと蝕んでいく──。
STORY
ヨンウンは水泳インストラクターとして静かな生活を送っていたが、その日常は7歳の娘ソヒョンの奇妙な行動によって次第に崩れ始める。彼女の小さな手が巻き起こす恐怖は日に日に増してゆき、母娘の関係は闇に包まれていく。そして、20年後──。特殊清掃の仕事に携わるミンと、新たな同僚となったヘヨン。それぞれ生い立ちに暗い過去を抱える2人は共に暮らし始める。しかし、周囲で次々と起こる不可解な出来事をきっかけに、2人の生活に不気味な影が忍び寄る…。過去と現在、2つの物語が交錯したとき、逃れられない狂気が姿を現す。