INTRODUCTION
ナ・ホンジンは最高を望み、
観る者を圧倒する恐怖とエンターテイメントの完璧なる融合
世界から絶賛された衝撃のデビュー作『チェイサー』(08)、そして『哀しき獣』(10)、『哭声/コクソン』(16)でその名を轟かせた韓国映画界が誇る気鋭ナ・ホンジン。世界中の映画ファンが新作を待ちわびる中、初めて海外の監督とタッグを組み、原案・プロデュースを手がけた待望の新作がいよいよ日本に上陸する。
祈りの先にあるものは希望かそれとも絶望か。
祈祷師一族の因果を廻り、新たな恐怖がやってくる。
本作制作のきっかけはナ・ホンジンが、『哭声/コクソン』の続編として、ファン・ジョンミンが怪演した祈祷師・イルグァンの物語を思いついたことだった。その構想はタイの祈祷師をモチーフに本作へと受け継がれ、『哭声/コクソン』のアナザー・バージョンとも言える衝撃作が完成した。タイ東北部イサーン地方を舞台にした本作は、深い森や神秘的な洞窟、エキゾチックな儀式を余すところなくカメラに収め、観る者を社会の常識が通用しない戦慄の秘境へと招き入れていく…。
STORY
タイ東北部の村で脈々と受け継がれてきた祈祷師一族
美しき後継者を襲う不可解な現象の数々…
小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないかー。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった……。
STAFF
原案・プロデュース
ナ・ホンジン
1974年、韓国生まれ。漢陽大学工芸学科を卒業後、映画製作の夢を追い求めて韓国芸術総合大学で学ぶ。『汗』(07)などの短編を製作したのち、『チェイサー』(08)で長編デビュー。ソウルで起こった連続殺人事件の実話にインスパイアされた同作品は、韓国で観客動員500万人超を記録し、大鐘賞の作品賞、監督賞を始め、数多くの賞に輝いた。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品された長編第2作『哀しき獣』(10)は、『チェイサー』のハ・ジョンウ、キム・ユンソクと再び組んだバイオレンス・スリラー。そして長編第3作『哭声/コクソン』(16)では、青龍映画賞の監督賞などを受賞した。
監督・脚本
バンジョン・ピサンタナクーン
1979年、タイ生まれ。バンコクのチュラロンコン大学映画学科を卒業後、いくつかの短編を製作する。パークプム・ウォンプムと共同で監督を務めた『心霊写真』(04)で長編デビュー。2004年度のタイ国内興収1位を記録した同作品は、落合正幸監督のハリウッド映画『シャッター』(08)としてリメイクされた。その後はホラー映画『Alone』(07)、2011年の大阪アジアン映画祭で上映されたラブ・コメディ『アンニョン!君の名は』(10・未)などを発表。タイの有名な怪談に基づくホラー・コメディ『愛しのゴースト』(13)は、国内の歴代興行成績を更新し、1000万人を動員する大ヒットとなった。続いて、北海道ロケを行ったラブ・ストーリー『一日だけの恋人』(16・未)を発表。同作品は、2017年の大阪アジアン映画祭で日本に紹介された。