INTRODUCTION
まだスマートフォンもSNSもなかった2003年韓国。浪人生のヨンホ(カン・ハヌル)が送った手紙を古書店で働くソヒ(チョン・ウヒ)が受け取ったことから2人を取り巻く日常が彩り始める、青春時代の煌めきを丁寧に映し出した心に染みわたるラブストーリー。
夢も目標もなく刺激のない淡々とした日々を生きるヨンホとソヒは、どこにでもいる普通の若者だ。先の見えない明日に不安を感じ、繰り返される退屈な日常の中で生きる活力を失っていた2人に、ヨンホが手紙を書き始めたことで変化が訪れる。漠然としていた2人の1日は、いつのまにか手紙を待つときめきで輝き始め、行き来する手紙と一緒に癒しと勇気を分かち合う。逢えない日々の中でもお互いかけがえのない存在となっていった2人は、いつしか忘れていた活気を取り戻し、自分だけの正解を見つけて前へ歩み始めようとする―。
それぞれの時間を過ごしながらも、待ち望んだ手紙を嬉しそうに読む2人の姿は、大切な人からの連絡を心待ちした時代を想起させ、時を経ても記憶に残る普遍的で愛しい日々の様子が描かれている。
主人公の冴えない予備校生ヨンホを演じるのは、4年振りのスクリーン復帰作となる俳優カン・ハヌル。日本でもリメイクされ話題を呼んだ映画『ミッドナイト・ランナー』(17)でパク・ソジュンとW主演、2019年には韓国の“ゴールデン・グローブ賞”と謳われる第56回百想芸術大賞で「愛の不時着」や「梨泰院クラス」を抑えTV部門の大賞を受賞したNetflixの人気ドラマ「椿の花咲く頃」に主演し、その存在感はアジア中で急上昇している。
病床の姉を支えながら母とともに古書店を営むソヒ役には、『サニー 永遠の仲間たち』(11)で強烈な印象を残したチョン・ウヒ。その圧倒的な演技力で、『ビューティー・インサイド』(15)、『哭声/コクソン』(16)など注目作への出演が続く。
さらにヨンホの予備校の友人・スジン役は『サニー 永遠の仲間たち』(11)、「ミセン-未生-」(14)でチョン・ウヒ、カン・ハヌルとの共演経験を持つカン・ソラが演じる。監督はデビュー作『怪しい顧客たち』(11)で一躍脚光を浴びたチョ・ジンモが抜擢された。
不確実な明日に揺れながらも「待つこと」を通して互いの存在に支えられながら、手紙を通じて紡がれる言葉を胸にひたむきに生きる主人公たちの姿は、きっとあなたに温かな癒しと勇気を届けてくれるだろう。
STORY
まだスマートフォンもSNSもなかった2003年韓国。夢も目標もなく、ソウルの予備校に通う浪人生ヨンホ(カン・ハヌル)は、長い間大切にしてきた記憶の中の友人を思い出し、あてもなく手紙を出す。一方、釜山では、自分の夢を見つけられないまま母親と一緒に古書店を営むソヒ(チョン・ウヒ)が、ヨンホから姉のソヨンに届いた手紙を受け取る。ソヒは病気の姉に代わってある“約束”を条件に、手紙を交わしていく。
「いくつかルールを守ってほしい。“質問しない”、“会いたいと言わない”、そして“会いに来ない”。」
偶然始まった手紙のやり取りが、モノクロだった2人の日常を鮮やかに彩り始め、やがてヨンホは「もしも12月31日に雨が降ったら会おう」と提案をするが…。
PROFILE
カン・ハヌル/ヨンホ役
日本でもリメイクされ話題を呼んだ映画『ミッドナイト・ランナー』でパク・ソジュンとW主演、さらに2019年にはファン・ヨンシクシンドロームを巻き起こしたNetflixの人気ドラマ「椿の花咲く頃」に主演、その他にも「ミセン―未生―」や『記憶の夜』に出演するなど、ジャンルを問わず安定感のあるフィルモグラフィを積み上げてきたカン・ハヌル。人間味溢れる魅力と幅広い演技力で観客から愛されてきた彼が、4年ぶりのスクリーン復帰作となる本作で、誰もが共感できる青春の姿を演じきった。「ヨンホには悩みが多い最近の若者の普遍的な姿を投影させた」と語り、大切な人との約束を待っている胸がときめく瞬間から、先が見えない未来に対する不安な気持ちまで、20代が感じる多彩な感情をリアルに描き出す。
MOVIE
『君はペット』(11)、『セシボン』(15)、『純粋の時代』(15)、『二十歳』(15)、『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~』(15)、『ハッピーログイン』(16)、『善惡の刃』(17)、『ミッドナイト・ランナー』(17)、『記憶の夜』(17)など
DRAMA
「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」(21)、「椿の花咲く頃」(19)、「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」(16)、「ミセン―未生―」(14)、「エンジェルアイズ」(14)、「相続者たち」(13)、「ドラマフェスティバル 不穏」(13)、「モンスター~私だけのラブスター~」(13)、「花ざかりの君たちへ」(12)など
チョン・ウヒ/ソヒ役
映画『サニー 永遠の仲間たち』の強烈な印象で注目を集めたチョン・ウヒは、初の単独主演映画『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』で青龍映画祭(韓国の二大映画祭の一つ)をはじめとする7つの映画祭で主演女優賞と新人賞を総なめにし、圧倒的な演技力が認められた。その後、『ビューティー・インサイド』やナ・ホンジン監督の『哭声/コクソン』などで多彩な姿を披露し、出演する作品ごとに疑う余地のない名演技を見せる。本作では、「これまでに演じたキャラクターとは違い、日常的な部分を演じるところが興味深く魅力的だった」と語り、退屈な日常にも希望を失わずに逞しく生きるソヒに扮する。
MOVIE
『母なる証明』(09)、『サニー 永遠の仲間たち』(11)、『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』(13)、『優しい嘘』(14)、『明日へ』(14)、『笛を吹く男』(15)、『ビューティー・インサイド』(15)、『愛を歌う花』(16)、『哭声/コクソン』(16)、『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』(17)、『王の預言書』(18)、『悪の偶像』(19)、『魔王の娘、イリシャ』(19/声の出演)、『めまい 窓越しの想い』(19)、『全く同じである彼女』(19)など
DRAMA
「抜群な女」(14)、「アルゴン~隠された真実~」(17)、「恋愛体質〜30歳になれば大丈夫」(19)など
カン・ソラ/スジン役
映画『サニー 永遠の仲間たち』の義理堅い女の子チュナ、「ミセン―未生―」のしっかりした新入社員アン・ヨンイ、『町の弁護士 チョ・ドゥルホ』の生意気な弁護士イ・ウンジョなど、主体性を持つ堂々とした女性キャラクターを見事に演じ分け熱い人気を集めたカン・ソラが、本作で再び輝きを放つ。「スジンは駆け引きをしない友人だ。真っすぐで屈託のないところが良かった」と語る彼女は、ヨンホの日常に新たな活力を吹き込むスジンを活気溢れるエネルギーで演じ切った。チョ・ジンモ監督が「スジンというキャラクターを気負いなく表現した。申し分ない演技力を持つ女優だと感じた」と語るほどの魅力溢れるキャラクターが誕生した。
MOVIE
『40minutes』(09)、『サニー 永遠の仲間たち』(11)、『メリダとおそろしの森』(12/吹替え)、『パパロッティ』(13)、『シークレット・ジョブ』(20)など
DRAMA
「ドリームハイ2」(12)、「おバカちゃん注意報~ありったけの愛~」(13)、「ドクター異邦人」(14)、「ミセン―未生―」(14)、「幸せのレシピ~愛言葉はメンドロントット」(15)、「町の弁護士 チョ・ドゥルホ」(16)、「ピョン・ヒョクの恋」(17)